複雑な造りのショーケースの作図事例|図面屋ま〜の "Easy Living" な日々

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リタイヤした平凡な図面屋です。仕事から解放されて日々のんびり気楽に暮らしてます。そんな奴が好き勝手書いてます!

複雑な造りのショーケースの作図事例


02G-case2_1

  
■Data 
■サイズ■仕様

W1200×D600×H1000
本体:木工下地化粧板仕上げ

ケース天板・前板:t=8mmクリアガラス


■備考 細部寸法は作図参照



今回ご紹介する作図事例は、ステーショナリー売り場に設置した雑貨用にショーケースのです。シンプルなフォルムですが、腰部のリブ状になっている特徴的なショーケースです。

ケース内には棚下照明付きの固定棚が一段あり、背面の引き違い扉から商品の出し入れが出来るような造りとなっています。

作図をする上で、一番長く時間を費やしたのがリブ材のピッチでした。

正面と側面とでガラスの高さが違うので、かなり難儀したのを覚えています。

また、機能的にケース内の高さを500mm程度確保する事が絶対条件でしたので、検証する作業を何度も繰り返してようやくこの図面が仕上がりました。

ポイントとしては基準になる高さとそのリブ材サイズを決める事です。

それでは、この図面について深掘りしたいので続きを見てください。
図面の描き方に付いてもお話しします。

それでは、続きを!

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この事例では正面図に赤色で表記した寸法が基準ラインとし、この間で均等になるように底目地サイズも含めてバランス調整をしました。

続いては、平面上でおさえておくべき2箇所の詳細図です。

a部詳細図


ひとつはケースの前板と側板、そしてケース内照明の支柱になっている10mm×19mmのステンレス(以下SUS)角パイプとの位置関係を明記しました。

もうひとつは、前板ガラスとリブ材仕上げにしている側板との納めです。

b部詳細図

全体的に見て、そういた部分のリブ材とリブ材の間の底目地は20mmのデプスにしていますが、ケースの前板部だけは、ガラスをとの取り合いでデプスを10mmにしています。

上部詳細図で確認してください。

次に断面図です。以下参照ください!
02G-case2_2

ケース内の手前には照明カバーを取り付けてます。これが結構厄介なモノでした。
如何に取り付けるかです!

結果、ケース内両サイドにSUS HL角パイプ(19×10)の支柱を取り付けることにしました。
かなり考えた結果の結果です。

ガラスの前板と側板が絡む狭い箇所なので、ビス固定が難しいと考え、補強パイプを側板に差し込む方法をとりました。

支柱のサイズより小さな9mm×9mmの補強用角パイプを支柱底面に長さ150mm程度を溶接しておきます。(以下詳細図参照)

c部詳細図
上の断面詳細図だけで、約1日かかった苦労図面です。

それでは、最後と行きましょう。

引き違い戸下の引き出しは上下に2枚の引き出しのように見えますが、実は下側はダミーです。

裏面の意匠も正面と同じようにリブ材仕上げにしたため、底目地加工だけ施しています。
この引き出しをダミーにした手法はデザインとしては古いですが、良く使われています。

《作図の注意点》
事例のように、照明用支柱の角パイプがガラスだけでなく側板の底目地とも関わることがあります。

意匠上での見え方も重要ですが、補強用パイプを差し込むスペースがもう少し大きければ、より安定させることができるので、側板の厚みを少なくも60mmぐらいがほしいところです。

物件名:横浜そごう 5F 文具売り場 2013.04.05
クライアント:YM

尚、本来は正しいショウケースの描き方を話したかったのですが、今回の主旨とは違うと考え割愛します。近々今回の事例を使って投稿しますので待っていてください。

余田和でした。

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2023/09/08| コメント:0Edit

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